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できない原因が指とは限らない

演奏会ともなると、それなりに難しい曲に挑戦するのですが、中にはぱっと楽譜を見て「うわっ何だこれ」と思うパッセージが出てくるときがあります。それでも、半年間さらえばたいていのものはできてしまうわけですから、やはり練習は大切だと思うわけです。

 

ちなみに、今回の演奏会にもその「難しいパッセージ」がありました。具体的な曲名を言いたくなるのをこらえて説明すると、4分音符=90前後で6連符のパッセージが1stと2ndに交互に、合計で約10小節間続くというものです。

 

1stと2ndで交互に吹くならそんなに大変でもないんじゃ? と思われる方もいらっしゃるでしょう。ただ、うちの指揮者の先生は「こういう掛け合いのパッセージは保険として誰か一人は全部吹いてください」と言う人なのです……orz。曲が決まって、楽譜を見た段階で既にこのパッセージは難物だぞと思ったので、私は指揮者の先生に「ここの部分は全部吹いたほうがいいですか?」と聞きに行ったところ、さすがにこれは厄介だと思ったからか、先生の返答は「練習するのはいいことですが、とりあえずやれとは言いません」でした。

 

これはちょっと意外でしたが、でも、私は全部吹くつもりでした。早々に手を打ったのは、演奏会が近づいてから「なつめさん、ここ全部吹いてもらえませんか?」と言われるより、その前から準備したほうがいろいろな意味で余裕があるからです。

 

というわけで、私は早速、Finaleで1st・2ndの両方のパートを続けて書いた楽譜を作成し、同時にこのパッセージを吹けるようになるための基礎練習として、タファネル・ゴーベールの某ページをパートのメンバーに配りました。

 

自分で吹いてみて思うのですが、速いパッセージを吹けないときにはもうできるテンポまで落とすしかないですよね。その上で、特にひっかかる部分を取り出して練習しながら全体を通して練習する。根気のいる練習なので、そう長時間続けられない代わりに、なるべくたくさんの回数を練習をしています。

 

練習するパッセージがさほど難しくなければ、設定したメトロノームのテンポはどんどん速くなっていきます。ただ、それならそう苦労はないわけで、今回もだいぶ苦労しました……。でも今回面白いなと思ったのは、できない原因が指の回らなさではなかったのです。

 

練習してもなかなかメトロノームのテンポを上げられなくて悶々としていた私は、あるとき、ふと思いついて4拍目の裏をブレスのために休んで吹いてみました。すると、今までできなかったテンポがすごく楽にできるようになったのです。ある程度までとんとん拍子にテンポを上げ、「ここができないのは指が回らないせいじゃなくてブレスができないせいだったのか」と気が付きました。

 

考えてみれば、数年前に演奏した曲にオーケストラ・スタディ(オーケストラの難しい場所ばかりを集めた、主にオーディション用の曲集)に載っていた有名なパッセージがあったのですが、それも、できない原因は指ではなくお腹の支えの不足でした。このときは本番目前まで全然できるようにならず、諦めかけていたところを個人練習の回数を増やして粘った結果、見つけたものです。

 

頭をまっさらにして練習したり、個人練習でいろいろなことを試すことはとても大切なんだと改めて実感したエピソードでした。